6.06.2009

景色の切り取り線

ロスコのシーグラムを見に行った。
浮き上がる線、消え行く色、遠ざかり、遮られ、形を失いながら、脳裏でイメージが像を結ぶ。
絵画のなせる技にただただ感嘆する。
シーグラムに満たされたその部屋は、部屋全体が振動しているかのごとく、不思議な波動に満たされていて、できることといえば、巨大な画面にいつの間にか飲み込まれているのを単に自覚するのみ。
見れば見るほど見えてくるような、隠されていくような惑う感覚に揺さぶられ、知覚の皮が一枚むけるような、別の目を手に入れたような気にすらなり。
良いとか悪いとかいう評価を超えて、すでに一つの景色へと昇華した絵の存在感。
私が見たのは景色の切り取り線だったのか。